2022年7月29日
家をゴミ屋敷にしてしまう人の心理的な背景にはさまざまな要素が絡み合っています。
そのため簡単には解消することができず、精神科医やカウンセラーの力が必要となるケースもあります。
ゴミ屋敷に定義はありませんが、足の踏み場がないほど物であふれて、
ゴミが散乱して悪臭・害虫が発生しているような状態の家を通常「ゴミ屋敷」と呼びます。
不衛生による健康被害や、ゴミでの倒壊などの被害は本人のみならず近隣にまで及ぶため、ゴミ屋敷は放置できない問題になっています。
下記に記載の内容で、ゴミ屋敷になってしまう心理が分かり、
ゴミ屋敷になってしまう心理を根本的に解決するきっかけになればと思います。
コンテンツ
①孤独を感じている
ゴミ屋敷の住人は地域や社会、親族、友人に本音を話せず、精神的に孤立しています。
住人は、孤独感が強く、動物が巣を作って身を守るのと同様にゴミを溜め込んで、安心感に浸っているケースが見受けられます。
不安や焦りで心に空いた穴を、ゴミを溜めることで埋めようとしています。
身近な方の死や、疎遠状態、周囲に頼れる人がいなくなったことをきっかけに孤独感が強くなり、人との関わりが苦手な方は
「モノや行動」で満たす傾向があります。
例えば、ボロボロになったぬいぐるみを捨てられなかったり、空になった空き瓶を大切に飾っていたりするなどあります。
満たされている人ならごみとして捨てる物も捨てられません。捨てることで自分から離れていってしまう感覚を持ち合わせているはずです。
解消法としては、孤独感を和らげるためにもゴミ屋敷住人の話を聞くことが大切です。
まずはコミュニケーションをとってみることをお勧めします。
死別による孤独感にはグリーフケアという方法もあります。
※グリーフケアとは、スピリチュアルの領域において、さまざまな「喪失」を体験し、グリーフを抱えた方々に、心を寄せて、寄り添い、ありのままに受け入れて、その方々が立ち直り、自立し、成長し、そして希望を持つことができるように支援することです。
②物を集めるのが好き(収集癖)
買い物が好きだったり、収集癖のある方は集めすぎた結果、ゴミ屋敷(モノ屋敷)になってしまうことが多いです。
中には同じものを2個買わないと落ち着かないなど。
独立した社会人で、自由に使える収入が多い女性にはよくあるケースです。買うことで満足感が得られるので、購入後の品物には興味がなくなり、
ゴミの山の中にブランドのバッグや高級コートが埋もれていることもあります。
家族と同居であれば、周囲の目があるので抑止することもできますが、一人暮らしの場合はゴミ屋敷化しやすくなります。
浪費癖・収集癖というレベルを超えて、「買い物依存症」や「ため込み症」の状態まで悪化した場合は、ゴミ屋敷化に歯止めがかからなくなります。
③ストレスが溜まり、やる気が起こらない
仕事や家庭でのストレスで心が疲れてしまい、片付けや掃除をする気が起きずにゴミ屋敷化するケースもあります。
配偶者の死亡、親の介護、仕事のプレッシャーなど強いストレスは、無気力状態を引き起こします。片付けは生命維持という観点で見ると優先度が低いため、
心が弱っていると片付けが後回しになってしまいます。
過度なストレスはパニック障害やうつ病など精神疾患につながることもあるため、十分な注意が必要です。
また、ゴミ屋敷に直結する心理状態として「セルフネグレクト」があります。
※セルフネグレクト
セルフネグレクト(自己放任)とは、強力なストレスにさらされた結果、食事や片付けなどの身の回りのことにまったく関心がなくなる状態です。
過労や家族の死、失業などのストレスが原因になります。
一人暮らしなどで社会から孤立している人や、老化・病気により身体能力や判断力が低下している人、金銭的に困窮している人(生活保護受給者等)などはセルフネグレクトが起きやすく、
回復には周囲のサポートが不可欠です。
④汚物を触りたくない(潔癖症)
極度の潔癖症でゴミに一切触れたくないという心理状態からゴミ屋敷化することもあります。
「汚いものに触れたくない」と言ういわゆる潔癖症の人には、家をゴミ屋敷にしてしまう方もいます。
ゴミ屋敷に潔癖症の人が住むのは矛盾しているように感じますが、自分が出したゴミに触れるのが嫌で放置するため、
最終的には、自宅がゴミ屋敷になってしまうのです。
潔癖症の度を越えると自分が履いていた靴下すら汚く感じてしまったり、見えない菌が机や床に付着しているように感じる方もいます。
時間や気持ちにゆとりがあれば、片付けられるのですが、仕事や人間関係のストレスで少しでもゆとりがなくなるとすぐにゴミ屋敷になってしまいます。
一度、ゴミ屋敷になってしまうと触ることもできずに、室内の環境は悪化してしまいます。
⑤汚れている認識がない
衛生感覚が平均からずれている為、ゴミ屋敷だと気づいていないこともあります。
汚れていても不快と思わず、自分の家がゴミ屋敷であると自覚していないのです。
片付けに無頓着な性格だったり、片付けの優先順位が低くて趣味や仕事を優先する人は、部屋が散らかっていても気にしない傾向があります。
汚れている認識がない時の本人の心理は落ち着いているので、問題ないように見えますが、ゴミ屋敷はトラブルを引き起こしやすいので
長期的に見るとよくない状況です。
また先天的な性質として、ADHDの人の中には、清潔・不潔の概念があいまいで浴槽の水垢や洗面台の髪の毛などを見ても何とも思わない方もいます。
汚れているという認識がない場合は、周囲の働きかけがなければゴミ屋敷を解消することはできません。
⑥他人の手を借りたくない
周囲に知られたくなかったり、助けを求めるのが苦手な方など完璧主義者の方に多く見られる心理状態です。
ゴミ屋敷を片付けたいとは思っていても、他人に協力を申し出ることが出来ず、解決できません。
自分の汚点を他人に見られたくないといったプライドの高さや他人への不信感、他人に迷惑を掛けたくないという自立心などから、他人を頼れなくなっているのです。
幼少期、両親から比較的、厳しく育てられた人や、家庭の事情で両親に甘えられなかった人、長男・長女として自立した性格になるよう強要された人などに、
この傾向が強く見られます。
ゴミ屋敷の住人が他人を頼ろうとしない場合、ますます周囲から孤立して悪循環に陥ってしまいます。
そのような場合は、周囲からの働きかけが必要です。ゴミ屋敷の住人の話を聞き、孤立感をやわらげてコミュニケーションをとれるようになると、
協調できる可能性が高まります。
上記が6つの心理状態です。
ここからはなぜ放置してはいけないか。
3項目紹介します。
ゴミ屋敷を放置できない3つの理由
①健康被害
ゴミ屋敷に住み続けていると免疫力が低下しますし、アレルギー物質も空気中に浮遊しているので体調不良になりやすいです。
ゴミに堆積した腐った食品や生ごみは、ゴキブリやハエなどの害虫を発生させ、ネズミなどの害獣を寄せ付けます。
ゴキブリやハエは腐敗物・汚物などの上を歩きまわり、足に付着した大腸菌や赤痢菌、黄色ブドウ球菌、サルモネラ菌などを居住空間に持ち込んで、
人間に健康被害を及ぼします。ネズミの体や糞を介してサルモネラ菌に感染し、食中毒やチフスを発症する恐れもあります。
一時的に体調を崩したときにも診察券や保険証の場所が分からないので、病院への受診を断念してしまうこともあり、体調悪化へとつながります。
また、1度発症したハウスダストアレルギーは根治することは困難と言われており、この先ずっと付き合っていく疾患となります。
マンションの場合には、害虫、害獣は高層階であってもベランダを伝って他の部屋に容易に侵入します。
害虫・害獣は、有害な細菌やウイルスを媒介し、人間に病気をもたらすので放置できません。
ゴミ屋敷の住人はもちろん、近隣住人も健康被害を被ることになります。
②近隣とのトラブル
ゴミ屋敷は悪臭を出したり害虫を発生させたりするので、近隣トラブルの原因となります。
ゴミ屋敷に関する条例を定めている地方自治体では、近隣住民からの申し出により、行政がゴミ屋敷に介入した事例も見られます。
一例ですが、京都府京都市ではゴミ屋敷の住人が2009年からおよそ60回にわたって市職員から面談を受けたものの、片付けに応じなかったために2015年に強制撤去されました。
ゴミ屋敷は近隣トラブルを起こし、行政の介入にまで発展するリスクがあるのです。
【ごみ屋敷に関する条例リンク】http://www.rilg.or.jp/htdocs/img/reiki/014_trashhouse.htm
③火災のリスク
ゴミ屋敷ではゴミが堆積しているため、タバコの火の不始末やコンセント付近のトラッキング火災などで一気に燃え広がるリスクが高いです。
※神奈川新聞から抜粋
◆大量のゴミ、消火を阻む 平塚の住宅火災、鎮火まで11時間◆
平塚市平塚2丁目の住宅から出火し、周辺の住宅や店舗など計6棟にも燃え広がった火災は4日未明、発生から11時間ぶりに鎮火した。
火元とみられる住宅は以前から廃棄物などが積まれている「ゴミ屋敷」として知られていた。当日の気象条件に加え、路上にはみ出した荷物などに
燃え移ったことも背景にあるとみられ、周辺住民らは「起きるべくして起きた被害」と怒りをあらわにした。
ここからは解決方法について触れていきます。
■ゴミ屋敷の片付けはプロに任せる
家一軒まるごとゴミ屋敷になっている場合、自力での解決は困難です。
費用は掛かりますが、プロに依頼すると迅速・安心に片付けることができます。
各社不用品回収業者に依頼することも大事ですが、
生前整理としての依頼もおすすめします。
もし住人がお亡くなりになられてた場合は遺品整理として、代行もしています。
住人以外には「ゴミ」にしか見えないモノでも住人にとっては大切なモノだったりする場合もあります。
ですので、そこは整理しながらおこなっていきます。
◆片付け業者に頼むメリット
自分たちで処分するには、自治体ルールを確認したりゴミ回収の日を待ったりする必要がありますが、プロのはルールを守って迅速に処分します。
ゴミ屋敷の中には必ず害虫や害獣、腐った食材やいつ使ったものか分からないタオルや洋服が出てきます。表面的にはペットボトルやお弁当の空容器など乾いたゴミであっても、
下に行くにつれて湿ったゴミが大量に出てきます。
例え自分のものであってもそれらを手で触って、仕分け・分別するのは心理的につらい作業になります。スタッフはプロなので、確実に処分します。
ゴミが落下してくるなどのリスクを避けて安全に処理できますし、希望すれば当日に立ち会う必要もありません。
最後に、ゴミ屋敷の住人は悩み、ストレスを溜め、困っているはずです。
現に我々はゴミ屋敷入って、毎回という程「殺虫剤」や「虫よけスプレー」「消臭剤」が大量にはあり住人本人も気にはしているのです。
これを機会に寄り添ってあげ、決して強制的ではなく、あくまでコミュニケーションとして、支えてあげることがとても大事です。
事前のご相談も承りますのでお気軽に相談ください。
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