2025年9月26日
孤独死や火災、ゴミ屋敷などの特殊清掃現場では、強烈なニオイを根本から除去することが最も重要です。従来、日本の消臭には強力な酸化作用を持つオゾンが広く使われてきました。しかし、近年、アメリカで生まれたヒドロキシルラジカル(OH)の消臭・除菌技術が、その常識を覆しつつあります。
この2つの技術は、同じ「酸化」の力でニオイの元を分解しますが、そのメカニズムには決定的な違いがあります。



コンテンツ
オゾンとヒドロキシルラジカル、それぞれの特徴
オゾンによる消臭・脱臭
オゾンは3つの酸素原子からなる不安定な分子(O₃)です。ニオイの元に触れると、酸素原子を放出してニオイ分子を酸化・分解します。強力な消臭効果がある反面、以下のデメリットがあります。
• 人やペットへの危険性: 高濃度のオゾンは人体に有害なため、無人環境でなければ使用できません。
• 消臭の限界: オゾンは分子サイズが大きいため、素材の奥深くに染み込んだニオイには届きにくいという弱点があります。
• 素材への影響: 長時間使用すると、プラスチックやゴム製品を劣化させる可能性があります。
ヒドロキシルラジカルによる消臭・脱臭
ヒドロキシルラジカル(・OH)は、水素と酸素からなる分子で、地球上で最も強力な酸化力を持つと言われています。自然界では、太陽の紫外線が水蒸気と反応して生成され、「地球の洗浄剤」とも呼ばれています。
特殊清掃の現場では、専用の機械を使って人工的にこのヒドロキシルラジカルを大量に発生させます。その最大の特長は、以下の点にあります。
• 人やペットがいる環境での使用: ヒドロキシルラジカルは、反応性が非常に高いため、生成後すぐに他の分子と反応して消滅します。そのため、人体に影響を与えることなく、人がいる環境でも安全に使用することができます。
• 圧倒的な分解力: ヒドロキシルラジカルはオゾンよりも分子サイズが小さく、素材の奥深くまで入り込み、ニオイの元を徹底的に分解するため、特殊清掃との相性は非常に高いです。
• 二次被害がない: オゾンと異なり、プラスチックやゴムなどを劣化させる心配がないため、お客様の資産価値を守ることができます。

特殊清掃における「ヒドロ工法」の凄さ
アメリカの特殊清掃業界では、ヒドロキシルラジカルを使用した消臭・除菌方法が主流になりつつあります。この工法は、ニオイの元を物理的に除去した上で、ヒドロキシルラジカルによって空間全体を浄化するというものです。
その最大のメリットは、圧倒的な消臭スピードと持続性です。 従来のオゾン燻蒸では数日かかっていた作業が、ヒドロキシルラジカルを使うことで、より短時間で、より確実にニオイを消すことが可能になりました。これは、作業期間の短縮だけでなく、お客様が早く元の生活に戻れることを意味します。
Q&A|オゾンとヒドロキシルについて、よくある質問
Q1. なぜ日本の特殊清掃では、まだオゾンが主流なのですか?
A. オゾン発生器は比較的安価で、技術も確立されているため、広く普及しています。ヒドロキシルラジカルの技術は比較的新しく、専用の機械が高価であるため、導入している業者がまだ少ないのが現状です。しかし、アメリカではその効果の高さから、すでに主流の技術となっています。
Q2. ヒドロキシルラジカルは本当に安全なのですか?
A. はい、安全面に厳しいアメリカでもその安全性が担保された非常に高い技術です。ヒドロキシルラジカルは生成後すぐに他の分子と反応して消滅するため、空間中に蓄積することがありません。そのため、人がいる環境でも使用できるほど安全性が高いのが特長です。
Q3. ヒドロ工法®を使えば、掃除をしなくてもニオイは消えますか?
A. いいえ。どんなに優れた消臭技術でも、ニオイの元となる原因物質(汚染物、カビ、腐敗物など)が残っていては、ニオイは再発します。ヒドロ工法®も、物理的な清掃を徹底的に行った上で使用することで、最大の効果を発揮します。
オゾンとヒドロキシルの違い まとめ
オゾンは今も有効な消臭技術ですが、その限界を理解した上で使う必要があります。一方、ヒドロキシルラジカルは、より安全に、より強力にニオイを分解する、まさに特殊清掃の最先端技術です。私たちは、このヒドロ工法®を導入し、お客様に「ニオイの根本解決」を提供しています。
岡山 特殊清掃・遺品整理 ラスティック 延原直樹
