2022年4月6日
家(賃貸アパート)のゴミ屋敷片付けをしてもらえませんか?
この1本の電話から
大切な1人の命を守ることができました。
コンテンツ
出会い
夜中にかかってきた1本の電話
深夜にかかってくる電話のほとんどは
孤独死や自殺現場の初期消臭・除菌のご依頼が多いのですが
この日は違いました。
深夜2:18
「家の片付けをしてくれませんか?」
お電話で屋内の状況やどこまでのお片付けがご希望なのかなどを
ヒアリングさせていただき
お見積りの希望日時を伺ったところ、
「今すぐ来てほしいです」
もしかしたら、孤独死現場や自殺現場かもしれない
と、思いながらスタッフはすぐに駆け付けました。
パジャマ姿でスタッフを待ってくれていました
現地駐車場に到着し、お電話を差し上げると
「入ってきてくれて大丈夫です」
と言われたので、ご挨拶をしお見積りを始めさせていただきました。
孤独死や自殺現場ではなく
プチごみ屋敷でした。
片付け後もここに住み続けるということでしたので、
- 残しておくもの
- 処分する物
をお伺いしながらお見積りをしていきました。
見積りで感じた違和感
片付け後もここに住み続けるということでしたので
- テレビ
- 冷蔵庫
- 洗濯機
- エアコン
などはそのままで大丈夫ですよね?
とご確認させていただいたのですが
「捨ててください」
まだ新しい家電でしたので
古物商全13種を持っていることを伝え
「買い替えられるのでしたら、こちらは買取りいたしましょうか?」
と聞いたのですが
「この家の中の物、全て捨ててください」
生活必需品も全て処分をご希望されており、
念のため全て処分のお見積書と、生活必需品を除いてのお見積書の
2通りを作成することにしました。
御見積書完成。お渡し。
一度、社に戻りすぐに2通りの見積書を作成し、
お見積書が完成したことをご連絡させていただき、
「すぐ持ってきて」
とのことでしたので、
すぐに現地に行かせていただき、
お見積書の内容を説明させていただき
- 全て処分
- 生活必需品を残して処分
のどちらにするかを確認してみたのですが、
やはり
「全て処分」
お客様のご希望を叶えてあげることと
お悩み解決のお手伝いをさせていただくことが
私共の第一の目標ですので
お客様のご意見を尊重し
全て処分の内容での契約書を取り交わしました。
片付け作業開始
ヒアリングをしながらの片付け作業
この度の作業はご依頼者の方立ち合いのもと、
片付けをさせていただくこととなりました。
いつも通り、
- 貴重品
- 家電製品
- 布類
- 紙類
- 缶・瓶
- 鉄類
- 非鉄類
など細かく仕分け作業をしていきました。
書類などでは証書や免状、お手紙やお写真など
重要なモノが含まれていることが多々あります。
このお宅でもたくさんのお手紙や
ご自身が書かれたメモがありました。
その中に見つけたご依頼者の方が書かれたお手紙で
私共が感じていた違和感がはっきりと証明されました。
片付け作業中ですが、作業中断しヒアリングに変更
ゴミ箱に捨てられていた、たくさんの写真。
破られていたり、お顔をマジックで塗られているお写真がたくさんあり、
破れているお写真をスタッフが貼り合わせていくと
ご依頼者の方と男性の方が仲良さそうにしているお写真でした。
ヒアリングをしていくと、その男性は恋人で
3か月前に自殺してしまったそうです。
大切な人の死を現実と受け止めた時に
喪失感と絶望感に襲われ、
「私も一緒に逝きたい」
と思われてしまったそうです。
グリーフケアで心を聴く
ご本人様には辛いかもしれませんが、
生前の恋人の方を想い出していただきました。
涙を流しながらも素敵な想い出話ばかりでした。
次に、私共が見つけた
「生きることをやめる決意」の手紙ではなく
亡くなられた恋人の方への「感謝」の手紙を書いていただきました。
ありがとうの言葉を涙を流しながら何度も書きながら
いろいろな事を想い返し、時には微笑みながら書かれていました。
ありがとうございました
グリーフから、完全に抜け出せたわけではないですが、
ご依頼者の方に笑顔が戻り、
これから「死」に向かうのではなく「生」に向かって前進していくという
決意を聞くことができましたので、安心して帰路につきました。
その後も、何度もありがとうのお電話やお手紙をいただき
私共も「ありがとう」と「お客様の笑顔」の為に
誠心誠意を込めて頑張っていくことをお約束しました。